FXの取引をしていると、よく「レバレッジ」という概念に出会います。FXで利益を確保するためには欠かせない要素であり、無視すれば大きな損失を被ることになります。
そこで今回は、レバレッジ取引とは何かについて、簡単でわかりやすい言葉で解説します。
FXにおけるレバレッジとは?
レバレッジとは、「証拠金(自己資金)を担保に、自己資金を超えた取引を可能にする仕組み」のことです。
FX取引には「差金決済取引」という仕組みがあり、これは「売買した時の値」と「決済した時のコスト」の「差(差額)」を取引することを意味します。つまり、文字通り外貨を売買するのではなく、「価格の乖離(結果)」を取引することになります。
FX会社はあくまでユーザーの注文が示す「格差」を取引するわけですから、本当に資本を投下する必要はないのですね。お金をかける必要があるのは、損失を補填しなければならないときだけです。
そこで登場するのが証拠金です。
証拠金とは?
証拠金とは保証金という意味です。
証拠金で決済したときに損失が出た場合、FX会社がその損失を補填する必要があり、「証拠金」は、その不足分を補うための補償のような役割を果たしています。
つまり、レバレッジとは、FX会社の立場からすると、「担保で不足分を相殺できるので、取引額の25倍まで取引できる」ということです。
レバレッジのメリット
レバレッジをかけるメリットは大きく3つあります。
メリット1:限られた金額で取引できる。
レバレッジをかけると、資本金の25倍まで取引できるようになり、その結果、必要な資金の25分の1しか必要としなくなります。つまり、わずかな資金でFX取引ができるのです。
例えば、米ドル/円を100万円で取引する場合、最低4万円の残高が必要です。しかし、10万円という大幅な減資により、わずか4,000円から始めることができます。
メリット2:同じ値動きでもより大きな利益を得ることができる。
利回り3%、投資金額10万円の場合、レバレッジを活用することで、リターンを増幅させることができます。
レバレッジをかけない場合、+3,000円の資産ですが、レバレッジ5倍では+15,000円、10倍では+30,000円、25倍では+75,000円となります。
つまり、レバレッジをかけることで、一定の投資額と収益率に対して固定的な利が倍増することになります。
メリット3:資本効率の向上
レバレッジをかけると資金効率が上がり、限られた資金でより多くの潜在的利益を生み出すことができるようになります。
これは、手持ちの資金よりもはるかに大きな資産をコントロールすることができるためです。
レバレッジを効かせた取引を行うことで、資金力を増幅させることができます。この考え方を理解するために、FXと株(現物取引)の違いを見てみましょう。
例えば、10万円(日本円)を取引する場合を考えてみましょう。
株式(現物)取引では、レバレッジをかけることができないので、10万円の株式を購入するためには、その資金しか割り当てられません。
一方、FXはレバレッジ10倍なので、1万円の資金があれば、残りの9万円を別の用途に使うことができます。
つまり、同じ見積もり額でも、より高い金額で取引できるため、より大きな経済効果が期待できるのです。
しかし、FXに限らず、どんな投資でも事前にデメリットを検証しておくことが最も重要です。
レバレッジの欠点は、予想損失率を指数関数的に拡大させることにあります。
レバレッジをかける場合、10万円を投資して1%の損失を出した場合、レバレッジをかけない場合は1000円の損失、レバレッジ10倍の場合は1万円の損失、レバレッジ25倍の場合は2万5000円の損失となります。
したがって、経験の浅いトレーダーは、レバレッジを2~3倍に抑えるのが賢明です。レバレッジに頼りすぎると、コントロールが効かなくなり、大きな不利益を被る可能性があります。
FXでレバレッジ取引を行う場合、注意すべき点
- ポジションの持ちすぎに注意すること
- 取引開始前に十分な証拠金を預けることが重要なこと
- 損切りや利食いのルールを決めておくこと
FX取引については、一般的に赤字が2%になった時点で撤退するのがベストと言われています。
有利な状況を想定すると苦境に陥る可能性があるため、損切りや利食いのルールを決めておくことが重要です。