税金が高くなってもFXに投資するメリット

FX取引は税金が高いというデメリットがありますが、FX投資には税金を大幅に減らすことができるメリットがあります。この記事では、FXトレーダーが効果的に税金を管理する方法について詳しく解説しています。
FX取引をする際の所得税や非課税の範囲、税金を安くするための相続税など、投資家に必須の知識を丁寧に解説していきます。
FXトレーダーとして効果的に税金管理を行いたい方は、ぜひご一読ください。

FXの利益とは

FXの利益となる為替差益やスワップポイントは「雑所得」に分類されます。

為替差益とは

為替レートの変動により生じた利益のことです。
例えば、米ドルを1ドル=105円で購入後、為替レートが1ドル=120円となった場合、購入ドルを円に交換すれば1ドルにつき15円の利益を得ることになり、これが為替差益となります。

スワップポイントとは

取引をする際の通貨間の「金利の差」のことです。
FXでは米ドルと円など、ある外貨を買い、もう一方の外貨を売る時にそれぞれ金利が発生します。
この通貨間の金利差が実際に受け取ることができる(または支払うことになる)スワップポイントとなります。なお、スワップポイントが発生したタイミングで課税対象となるのか、ポジションの決済時に課税されるのかはFX会社によって異なります。

雑所得とは

10種類の所得のうち、他の9種類のどれにも当てはまらない所得のことで、老後に受け取る国民年金の給付金や、事業として行っているほどではない副業収入的なものが雑所得とされます。

FXの利益は「申告分離課税」という方法で課税額が計算されます

申告分離課税とは、銀行預金の利息や株式等の譲渡により所得が生じた場合のように、他の所得とは分離して税額を計算し、確定申告によって納税する課税方式です。

・税率は一律20.315%(国内FXでの利益)

「申告分離課税」の税率は一律20.315%です。
内訳は所得税(15%)、住民税(5%)、東日本大震災の復興に用いられるために創設された復興特別所得税(0.315%)です。
※復興特別所得税が課せられるのは2037年12月31日までです。

例:利益100万円、経費20万円の場合
(100万円-20万円)×0.20315=16万2520円となります。

FXで確定申告が必要ない条件

① 給与所得があるが、年間のFXの利益が20万円以下の場合
② 扶養家族(専業主婦、学生)などで、同利益が48万円以下の場合

FXで損失がある場合でも確定申告するとお得

FX取引で損失が出た場合でも、税法上「損失繰越控除」という制度があり、翌年以降の損失を生んだ年から3年先までの利益から損失を繰り越して控除できます。

<給与所得者の例>

前年:150万円の損失あり(△150万円で確定申告し、課税なし)。
本年:60万円の利益あり。本来なら課税対象ですが、前年損失(△150万円)から本年利益(60万円)を差し引いても、利益(△90万円)とみなされ、課税なし。
来年:50万円の利益が出ても前年(△90万円+50万円=△40万円)で課税なし。
再来年:45万円の利益が出ても(△40万円+45万円=5万円)で課税なし。

但し、損失が出たときに確定申告していなければ、翌年利益を生んだとしても損失が繰越できないのでくれぐれも注意が必要です。

FXで損失がある時の確定申告

FXでの通年収益が損失である場合にも確定申告すれば、確定申告の損益通算制度と繰越控除制度によって翌年以降の損失を減らすことができます。

損益通算について

損益通算とは、FX会社で損失が出た時、他のFX会社や先物・オプション利益と相殺することで課税所得を減らせるものです。

例:FXの損失が50万円、株価指数先物の利益が50万円の場合、課税対象は0円となります。

繰越控除制度について

繰越控除制度とは、損益通算で損失の方が大きい場合に利用できる制度で、損失が発生した翌年から3年間、各年の利益に損益通算で発生した損失を順次充当するとができるものです。

例:初年に100万円の損失が発生し、翌年以降50万円ずつ利益がでた場合
1年目の税金:0円
内訳:損失100万円-利益50万円(損失残額:50万円)

2年目の税金:0円
内訳:損失50万円-利益50万円(損失残額0万円)

3年目の税金:10万1575円
内訳:利益50万×税率0.20315

必要経費

FXの確定申告で経費として認められやすいものは、以下のものです。

パソコン(FX専用のもの)
モニター等周辺機器
FXセミナー等の交通費
FX関連書籍

領収書は、FX関連の領収書と分かるように保管しておきましょう。

未決済ポジションの評価損益

個人口座の場合、確定申告対象ではありません。

スワップポイントについて

FX会社によってスワップポイントが税金の対象となるポイントは異なります。

繰越控除制度の違い

個人は3年間ですが、法人は最大で9年間認められています。

他の事業との損益通算は

個人の場合、FXの損益は他の「先物取引に係る雑所得等」の利益のみ損益通算できますが、法人の場合、FX取引以外の他の事業と損益通算が可能です。

FXの税金・確定申告に関するQ&A

Q.損益通算ができる取引の種類は?
A.オプション取引、株式の先物、商品先物、株価指数先物取引など「先物取引に係る雑所得等の課税の特例(租税特別措置法第41条の14)」の適用対象の先物取引です。

Q.FX取引の損益は複数社またいで合算可能か?
A.他社のFX取引と損益通算可能です。

Q.FX取引にかかる税金は法人と個人事業主でどちらが得か?
A,法人税率は大まか30%ほどですが、個人税率は20.315%なので個人が得です。
但し、法人は本業の赤字とFXの利益と損益通算できるのに対し、個人事業主は家業の赤字と FXの利益と損益通算できない点で、法人に劣る面があります。